グループホームセレニテ

福祉施設
所在地 :千葉県千葉市
工事種別:新築
主要用途:寄宿舎(身体障害者グループホーム)
竣工年月:2015年3月
敷地面積:1,593.04㎡
建築面積:279.50㎡
延べ面積:234.50㎡
規模構造:木造平屋
施  工:東海建設株式会社
写  真:千葉正人

 

住宅地に建つ身体障害者のグループホームの計画である。

この建物では、生活する人のほとんどが車椅子利用であること、人が住まう環境を整えることの大きく2点に絞った計画を進めた。バリアフリー対策はもちろんのこと、車椅子の生活へ配慮した仕上材の選定、内廊下型の平面形状とすることで見守り機能を重視など、単純な形態でありながら、生活する人を中心に据えた計画となっている。

ボリューム操作としては、大きな切妻型のボリューム(浜野の海をイメージした青いボリューム)にそれより少し小さい切妻型のボリューム(工場地帯をイメージしたメタリックなシルバー色のボリューム)が寄り添っているような形状となっている。また障害者施設となると、設えが「施設的」になりがちな部分を意識的に切妻型の屋根やウッドデッキ、吹抜け空間など「住宅的」な要素を取り入れることで、障害者であっても健常者と同じ「普通の」家に住んでいるような感覚を味わうことができるのではないかと考える。

外壁にサイディングを用いるなど、ハウスメーカーの住宅のような外観を演出し、広く一般的な「普通さ」を持たせながらも、それらの住宅とは差別化を図るような思考をもとに構成されている。福祉系施設ではどうしてもデザインに手が及ばない部分が多いように感じるが、デザインされていないようにデザインすることがこのような建築でのひとつの解法なのかもしれないと気づくことができた。