木更津の小さな家2

リノベーション, 住宅
所在地 :千葉県木更津市
工事種別:改修
主要用途:一戸建ての住宅(賃貸住宅)
竣工年月:2016年5月
建築面積:50.45㎡
延べ面積:50.45㎡
規模構造:木造平屋
施  工:有限会社小山工務店
写  真:千葉正人(注釈を除く)

 

築47年の木造平屋15坪の賃貸住宅の改修である。

2009年には既に1号棟を改修しており、その隣にある2号棟が今回の対象物件となる。1号棟と同様極力コストをかけずに、賃貸住宅としての質の向上と設備機器の更新および構造的な補強を兼ねた改修とすることを目的としている。

1号棟では床を張らないことで空間の質を高める試みを行ったため、2号棟では天井を張らない計画とすることで1号棟との関係性を強めた。既存の天井を剥がし、現しになった野地板を塗装するだけの簡易的な仕上げすることで、素朴だが広がりのある空間へと生まれ変わった。

また、この住宅には収納を設けない代わりに、ラワン合板素地で仕上げた壁を設置し、入居者が自分で棚を設置するなど自由にDIYできる壁を作った。当然だが、人によって収納量は全く異なる。一般的な住宅と同様、収納を定数として扱うといずれ足りなくなったり、余剰スペースとなってしまう。そこで敢えて収納を変数として扱うことで、入居者が自由に調整できる余幅を残すような設計とした。すると収納にプランが縛られなくなり、キッチンやリビングがオフセットされたようなゆとりのあるプランとなった。

改修も2棟目を迎え、徐々に移り変わっていく様は季節ごとにその姿を変える田園風景のようであり、この木更津の小さな家2が3号棟へ次のバトンを繋いでいくような存在となることを願っている。